おもてなし ・ ホスピタリティの哲学 | 「他画他賛」しましょう
おもてなし ・ ホスピタリティの哲学
「他画他賛」しましょう
私たち執事は、他人をほめる「他画他賛」を常に意識しています。
ほめる内容は様々です。
たとえば仕事仲間に対して「毎日、誰よりも早く出勤されていますね」「いつも笑顔で和やかですね」「そのネクタイ、感じがいいですね」など、なんでも気づいたことをほめ合います。
ただし、単なるおべっかになってしまいますので、心からいいと思うことだけをほめるようにしています。
ときには、「あいつにはほめるところなど何もない」という相手がいるかもしれません。
そういうときこそ、積極的にほめてみてください。
「何かほめる要素はないか」と思って相手を観察していると、いつの間にかその人のいいところばかりを見るようになってきます。
その結果、嫌いな相手を肯定的に見ることができるようになります。
そうなると、以前には気づかなかった相手のいいところが見えてくるのです。
また、当然のことながら、ほめられて悪い気がする人はいません。
そしてほめた側も、自分がかけた言葉で相手が喜んでくれる姿を見ることは嬉しいものです。
人をほめることによって相手が喜び、それを見た自分もうれしくなってくる。
結果的にお互いの関係もより親密なものになり、職場全体の雰囲気も明るくなっていく。
ほめるという行為は、相手も、自分も、周囲の皆も幸せにするのです。
マイナスの感情や悪口は連鎖することを知りましょう
職場というのは不思議なもので、マイナスの感情が一つあると、次々とマイナスの感情を呼び込んでしまい、皆が不平不満や悪口をいう悪循環に陥ってしまいます。 その空気はそのままお客さまに対するサーヴィスにも影響が出てしまいます。 一流のサーヴィス会社や企業では、社内で悪口をいう人はいません。 お互いに多少は頭に来ることもあるでしょうが、それを感情的に口に出すことはありません。 私の会社でも、仲間やお客さまの悪口をいうことは固く禁止しています。 従業員の一人に何か問題がある場合は、その人の悪口をいうよりも、問題点を解決できるようにサポートすることのほうが何倍も大切です。 悪口をいくらいっても、いわれた人は気分を害するだけで、自分の悪い部分を直そうとはしないからです。 以前、私の会社で契約しているメイドのなかに、少し気が利かない人がいました。 悪くいえば、「口ばかり達者で、仕事をきちんとしない人。サボってばかりのいいかげんな人」となりますが、当人にこれをそのまま突きつけても、何一つ変わらないでしょう。 むしろ、自分はそんなことはしていないと、反抗的な態度になってしまうかもしれません。 大切なのは、まず、その人のいいところを見つけて伸ばすことです。 「口ばかり達者」ということは、「社交的で明るく話上手」ともいえます。 そこで、まず「○○さんは、社交的で明るいですね」といいところをほめました。 次に「ただ、お話が弾んでしまうと、仕事の時間が足りなくなってしまいませんか?」と状況を把握してもらうように努めます。 さらに、「お客さま対応で時間が削られてしまうようでしたら、お客さま対応は執事にサポートしてもらってはいかがでしょうか。そうすれば予定の時間内にお仕事が終わりますね」と、解決策を提示します。 そうして根気よく説明していきました。 もともとサーヴィスマインドの高い人だったので、社交的な性格はそのまま、きちんと時間内に仕事を終わらせられるようになりました。 人のいいところをほめる。 人の悪口はいわない。 単純なことですが、この2つを徹底していくと職場の雰囲気ががらりと変わるはずです。
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参考文献・外部リンク
- デロイト トーマツ(2025)「国内富裕層意識・購買行動調査」
- 博報堂(2025)「新富裕層調査2025」
- Heskett, J.L. et al. (1994). Harvard Business Review
- 新井直之(2017)『執事が教える至高のおもてなし』
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