「金さえ払えば何でもあり」という勘違い。
高級店で恥をかく前に知るべき
「ノブレス・オブリージュ」

「俺は客だぞ」「金を払ってるんだぞ」

店員に対して、こんな態度を取る経営者やリーダーを、私はこれまで数多く見てきました。
はっきり申し上げます。
彼らは、お金を持っていたとしても「三流」です。

なぜなら、高級空間における「客の責任」を理解していないからです。
高級な場所は、誰でも入れる公園ではありません。
そこは、選ばれた人間だけが入ることを許された、ある種の「舞台」です。
今回は、お金で買えない「品格」と、リーダーが持つべき「客としての流儀」について、厳しく問いたいと思います。

お金は「入場料」であり
「免罪符」ではない

誤解している人が多いですが、高級ホテルやレストランに支払う高額な料金は、あくまで「その場にいる権利(入場料)」にすぎません。
決して「何をしても許される権利(免罪符)」ではないのです。

むしろ、高い料金を払う場所ほど、客側に求められる「民度」のハードルは上がります。
静かに話すこと、スマートに振る舞うこと、スタッフに感謝を示すこと。
これらはマナー以前の「義務」です。
この義務を果たせない人間が、札束で顔を叩くような真似をすれば、表向きは笑顔で対応されても、裏では「出禁リスト」に入れられるだけです。
一流の店は、客を選びます。あなたがお金を持っているかどうかではなく、あなたが「その店にふさわしい人間か」を見ているのです。

スタッフへの態度は
人間性のリトマス試験紙

私が執事としてお仕えした本物の大富豪たちは、例外なく、スタッフに対して謙虚でした。
ホテルのドアマンに「ありがとう」と声をかけ、レストランの給仕に「今日の料理は素晴らしかった」と労う。

彼らは知っているのです。
立場の弱い人間(と、世間が思っている人たち)への態度にこそ、その人の本性が現れることを。
店員に横柄な態度を取るリーダーは、部下に対しても同じことをしています。
「金や権力があれば人を従わせられる」という歪んだ支配欲が見え透いているのです。
そんな人間に、人はついてきません。

あなたは「神様」ではない。
ただの「客」だ。
その謙虚さを忘れた時、
あなたの品格は地に落ちる。

Arai Naoyuki Philosophy

あなたは「風景の一部」に
なれているか

高級空間において、客は「サービスを受ける側」であると同時に、「空間を構成するインテリアの一部」でもあります。
あなたの服装、あなたの話し声、あなたの所作。
それら全てが、他のお客様にとっての「環境」になります。

一流のリーダーは、自分がその空間にどう影響を与えているかを常に客観視しています。
「今の自分の声は大きすぎないか」「この服装は場の雰囲気を壊していないか」。
この「メタ認知能力」こそが、ビジネスにおける成功の鍵でもあります。
空気が読めない人間は、店でも、ビジネスの場でも、やがて排除されます。

三流の客

・金を払えば何をしてもいいと思っている
・スタッフを召使い扱いする
・大声で自分語りをする
・空間を「消費」する

一流の客

・店のルールと文化を尊重する
・スタッフに敬意と感謝を示す
・静かに振る舞い、風景に溶け込む
・空間を「守る」

まとめ

ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)。
これは寄付や慈善活動のことだけを指すのではありません。
日常の振る舞いにおいて、周囲に不快感を与えず、手本となるような品格を示すこと。
それもまた、上に立つ者の義務です。

店に選ばれる客になれ。
スタッフに愛される客になれ。
それが、あなたが
本物のリーダーである証明だ。

今日から、店員への「ありがとう」を増やしてみてください。
その一言が、あなた自身の格を上げ、ひいてはあなたの組織のブランドを守ることになるのです。

記事執筆者・監修者

新井 直之
(NAOYUKI ARAI)

執事
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人 日本執事協会 代表理事
一般社団法人 日本執事協会 附属 日本執事学校 校長

大富豪、超富裕向け執事・コンシェルジュ・ハウスメイドサービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を2008年に創業し、現在に至る。

執事としての長年の経験と知見を元に、富裕層ビジネス、おもてなし、ホスピタリティに関する研修・講演・コンサルティングを企業向けに提供している。

代表著作『執事が教える至高のおもてなし』『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』。日本国内、海外での翻訳版を含めて約20冊の著作、刊行累計50万部を超える。

本物執事の新井直之
Translate »
上部へスクロール