「茶色の靴」を捨てる勇気。
足元に透ける
リーダーの自己規律と美学

会食の席、あるいは重要な商談の場。
相手の視線は、あなたのどこを向いているでしょうか。

実は、成功者ほど相手の「足元」を見ています。
靴の先端、色の選び方、そして手入れの痕跡。そこには、その人の「自己規律」と「他者への敬意」が嘘偽りなく表れるからです。

「茶色はダメなんですか?」
よくそう聞かれますが、私ははっきりと申し上げます。
富裕層対応、そしてリーダーとしての品格を問う場において、茶色は止めていただきたい。

選択肢を削る勇気
「ストレートチップ」の正解

一流のリーダーは、無駄な迷いを排除し、決断のコストを最小化します。
靴選びにおいても同様です。あれこれと色やデザインに迷う必要はありません。
「黒のストレートチップ」。
これを常に一糸乱れぬ状態で履きこなす。これだけで、王族の式典からハードな商談まで、あらゆる公的な場に対応できる「万能のカード」を手にしたことになります。

次点で「プレーントゥ」。
この2つ以外は、基本的に不要です。
ストレートチップは最強のフォーマルであり、プレーントゥは汎用性の高い準フォーマル。
この2種だけあれば、あなたの品格が揺らぐことはありません。スタンダードを極めることの凄みを知ってください。

靴を磨くことは、
自分の「明日」を磨くことだ。
泥のついた靴で
未来へ歩き出すことはできない。

Arai Naoyuki Philosophy

「黒」が教える
自己主張の引き算

なぜ茶色ではなく「黒」なのか。
リーダーや執事の服装(スーツ)が、黒や紺だからです。
組織の代表として、あるいはプロとして黒や紺のスーツを纏っているのに、足元だけ茶色で「個性」を出そうとする。
それは「ノイズ」です。

黒の靴は、自らを背景に徹しさせます。しかし、そこには確かな手入れによる「艶」がある。
この「謙虚な主張」こそが、一流のコミュニケーションにおける潤滑油となります。
そして、ベルトも黒で統一する。
この当たり前の規律(ガバナンス)を守れないリーダーが、どうして組織の規律を守れるでしょうか。

投資としての「革底(レザーソール)」

最近はゴム底も増えていますが、もし資金的に余裕があるのなら、ぜひ「革底」を選んでください。
それは贅沢だからではありません。
「正式な場では革底」というセオリーを知っているかどうかの教養の問題であり、また、歩くたびに響く音が違うからです。

カツ、カツという乾いた音。
それは、空間の静寂を壊さず、しかし確かにそこに存在するという「品格の音」です。
富裕層は、あなたが履いている靴のブランドではなく、その靴がどれだけ愛され、手入れされ、TPOをわきまえているかを見て、あなたの「人間性」を判断しているのです。

三流のリーダー

・茶色やデザイン靴で個性を出す
・靴に傷や汚れがある
・靴とベルトの色がバラバラ
・TPOを無視したゴム底で歩く

一流のリーダー

・黒のストレートチップを貫く
・常に鏡面のような艶を保つ
・小物まで黒で完璧に統一
・資金が許せば革底を選ぶ

まとめ

靴を磨く時間は、単なる作業ではありません。
それは、一日の戦いを終えた戦士が、刀を手入れするような神聖な時間です。
今日一日、自分を支えてくれた相棒に感謝し、明日の成功をイメージしながらクリームを塗る。
その静寂な時間を持てるかどうかが、リーダーの精神的安定(メンタルヘルス)を左右します。

一足の靴の中に、
あなたの仕事への誇りを宿せ。

明日、出かける前に玄関で一度立ち止まり、自分の足元を見てください。
その靴は、あなたというリーダーを乗せて歩くのにふさわしい輝きを放っているでしょうか。
もし曇りがあれば、今すぐ布を取り出してください。
ビジネスの成功は、そのひと拭きから始まります。

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記事執筆者・監修者

新井 直之
(NAOYUKI ARAI)

執事
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人 日本執事協会 代表理事
一般社団法人 日本執事協会 附属 日本執事学校 校長

大富豪、超富裕向け執事・コンシェルジュ・ハウスメイドサービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を2008年に創業し、現在に至る。

執事としての長年の経験と知見を元に、富裕層ビジネス、おもてなし、ホスピタリティに関する研修・講演・コンサルティングを企業向けに提供している。

代表著作『執事が教える至高のおもてなし』『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』。日本国内、海外での翻訳版を含めて約20冊の著作、刊行累計50万部を超える。

本物執事の新井直之
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