その鞄の扱い方で、年収が決まる。
「扱い」は「扱われ」に直結する
鏡の法則

「人を見る目」を養いたいなら、その人が「自分以外の持ち物」をどう扱っているかを見てください。
部下から預かった書類、レストランのメニュー、そしてお客様の鞄。

これらを雑に扱う人間で、仕事が一流だった人を私は一人も知りません。
逆に、超一流と呼ばれる成功者たちは、他人の持ち物を、まるで自分の命であるかのように、あるいはそれ以上に慎重に扱います。

なぜか。
それは「他人の価値観への敬意」が、そのまま「自分への信頼」として跳ね返ってくることを知っているからです。
今回は、執事の視点から見た「物の扱いとリーダーの品格」についてお話しします。

物の扱いには
その人の本性が現れる

人は、言葉ではいくらでも飾れます。
「お客様第一です」「社員を大切にします」。
しかし、ふとした瞬間の「物の扱い」には、隠しようのない本性が露呈します。

預かったコートを無造作にソファーに投げる。
名刺をテーブルの上で滑らせて渡す。
濡れた傘をケアもせずに他人の車に乗せる。

これらはすべて、「私は相手のことを軽視しています」「私は自分のことしか考えていません」という無言の宣言です。
富裕層や一流のリーダーは、このシグナルを敏感にキャッチします。
「物を大切にできない人間が、人を大切にできるわけがない」。
そう判断された瞬間、ビジネスのチャンスも、信頼も、すべて失うのです。

雑な扱いは
組織を腐敗させる

リーダーが他人の持ち物を雑に扱う姿を見せると、それは組織全体に伝染します。
これを犯罪心理学の「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」で説明できます。
「一つくらいならいいだろう」という小さな無秩序(雑な扱い)が、やがて組織全体のモラル崩壊を招くのです。

「社長がお客様の荷物を床に置いているんだから、俺たちも適当でいいだろう」
そうやって、商品管理が杜撰になり、顧客対応が雑になり、最終的には事故や不祥事につながります。
リーダーの指先一つ、鞄の置き方一つが、組織の規律を作っている。
その自覚があるかどうかが、三流と一流の分水嶺です。

他人の大切なものを
大切にできる人間だけが、
他人から大切にされる資格を持つ。

Arai Naoyuki Philosophy

「神は細部に宿る」の
真の意味

私が執事としてお仕えした大富豪の方は、ご自身のバッグはもちろん、私のバッグでさえも、決して床に置きませんでした。
「新井さん、そこは汚れているから、ここに置きなさい」と、ご自身の椅子の隣を空けてくださったこともあります。

この時、私は強烈な敬意と忠誠心を感じました。
「この方は、私の持ち物(=私自身)をここまで尊重してくださるのか」と。
高価なプレゼントを渡すことだけが、人心掌握術ではありません。
相手の持ち物を、宝石のように両手で扱う。
その細やかな所作一つで、人の心は動かせるのです。

二流のリーダー

・高価なものだけ丁寧に扱う
・見えないところでは雑に扱う
・片手で受け渡す
・「物」としか見ていない

一流のリーダー

・誰の持ち物でも丁寧に扱う
・見ていない時ほど丁寧に扱う
・両手で敬意を込めて扱う
・背景にある「想い」を見ている

まとめ

今日から、他人の荷物を持つとき、意識を変えてみてください。
それは単なる荷物ではありません。
その人の人生であり、信頼であり、あなた自身の評価そのものです。

「扱い」は「扱われ」。
あなたが世界をどう扱うかが、
世界があなたをどう扱うかを決める。

両手で持ち、確認し、清浄な場所に置く。
その丁寧な所作の積み重ねが、やがてあなた自身の「品格」となり、揺るぎない信頼を築き上げるでしょう。

記事執筆者・監修者

新井 直之
(NAOYUKI ARAI)

執事
日本バトラー&コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人 日本執事協会 代表理事
一般社団法人 日本執事協会 附属 日本執事学校 校長

大富豪、超富裕向け執事・コンシェルジュ・ハウスメイドサービスを提供する日本バトラー&コンシェルジュ株式会社を2008年に創業し、現在に至る。

執事としての長年の経験と知見を元に、富裕層ビジネス、おもてなし、ホスピタリティに関する研修・講演・コンサルティングを企業向けに提供している。

代表著作『執事が教える至高のおもてなし』『執事だけが知っている世界の大富豪58の習慣』。日本国内、海外での翻訳版を含めて約20冊の著作、刊行累計50万部を超える。

本物執事の新井直之
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