おもてなし ・ ホスピタリティの哲学
「至高のおもてなし」と聞くと、とんでもなく難易度が高いというイメージがあるかもしれません。
しかし実際は、それほど難しくはありません。
当たり前のことを当たり前におこない、その一つひとつが積み重なっていくところに、おもてなしの王道があるのです。
高級ホテルや高級旅館のおもてなしも、度肝を抜くようなサーヴィスではなく、一つひとつこまかい点に気をつかい、当たり前のサーヴィスをすべて当たり前のように、漏れなくきっちり提供しているのです。
いわば、勝負はサーヴィスの総合点です。
100打席に一回、逆転満塁サヨナラホームランを打つのではなく、コンスタントにヒットを打って出塁するほうが、結果的に名選手と呼ばれるものです。
むしろ100打席に一度の大活躍では、それ以外の穴、つまりマイナスポイントが多すぎて、サーヴィス全体を総合的に見た場合、「失格」の烙印を押されてしまうでしょう。
何か特別なこと、ミラクルなファインプレーを志すのではなく、これまでこの本で紹介してきた姿勢やスキルを身につけて、当たり前のサーヴィスを一つひとつしっかり提供していけば、その総合点として「世界一のおもてなし」が実現するのです。
やや観念的な説明になりましたが、実際はもっとシステマティックに考えていいものです。
たとえばこの本で紹介した意識や姿勢、スキルのチェックリストをつくり、自分ができていない項目、自分に欠けている項目を一通り確認していく。
そうすると自分の弱点がわかり、そこを重点的に意識することで、サーヴィスの質が自然と向上していきます。
自分にできないことを見つけたら、改善策を考え、実行して、できたかどうかをまたチェックし、再度実行する。
ビジネスに必須といわれるPDCAサイクルをまわしていくことは、「至高のおもてなし」にも通じるのです。
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Category おもてなし・ホスピタリティの哲学 . ブログ 2020.09.14